Chikar Studio////OKI Information//////////////2002.10.31/////特別編//              ★こんにちは!チカルスタジオより最新のオキ・ウメ子・マレウレウ情報のお届けです ★「OKI Information」の購読を中止されたい方は(http://tonkori.com/contact/index.html)で解除が可能です。 //////////////////////////////////////////////////////////////////// #part2 【浦島太郎の玉手箱 あるいはガラパゴス島】後編      text by OKI  シレトコで民宿を経営するアイヌのおばさんは言った。「ピースボートのこ と新聞に書いてあったよ。なんか歓迎されなかったって書いてあった」。俺が クナシリのコンサートのあとに島の人からもらった黒曜石の矢尻は、おまえを これで殺すぞと言うメッセージだったのか?    この新聞社(*1)は10年程前に外務省を通さずに島の取材をして叱られて いる。出版した写真集のあとがきには「外務省だけの窓口だけの訪問には限界 のあることに、この本の読者は気づくであろう」と書いてある。しかし最近の 社説ではヴィザは外務省による一本化のほうがよいと主張している。後日会っ た別の新聞社の記者は言った。「あのあとあの新聞社は外務省の取材からシャ ットアウトされました」。何だそういうことだったのか。  好意的な論評であっても、あくまでも筆者は無意識に返還を前提に執筆して いる。ピースボートの行動は行き詰まりを見せた返還運動の新たな方法なのか? 俺は返還を前提とした思考をしていない。この島々は極東のガラパゴス島にな ればよいと思っている。先祖の土地は永遠にそのままの姿で海の上に存在する ことを心から願う。  道の運営するアイヌの組織、ウタリ協会は棚上げになっていた北方四島の先 住権主張を再開することを発表した。本気なのか? 同じ日に内閣府審議官は 札幌で「ピースボートはけしからん」とスピーチした。おとといのニュースで は島から北海道へのヴィザなし訪問に人が集まらないと報道していた。インタ ビューを受けた島の女性は「北海道は何度も行って飽きた。もっと他のところ に行きたい」 一方受け入れ側は「返還に対して理解を深めていただくはずの 交流がこのようなことになって残念だ」と肩を落としていた。これというのも ピースボートが勝手なことをするからこうなったとは言ってなかったがどこか でこのような声も聞こえてきそうだ。  たった一日のクナシリ島は竜宮城のようだった。人知れずそっとしておいた 方がよかったのかもしれない。ピースボートで島に行ったクルーはそれぞれ目 に見えない玉手箱を渡されたと思う。 人間の歴史と超越した自然の奥深さが 詰まった玉手箱だ。 (*1)外務省の自粛要請を無視してクナシリに上陸した者たちの「愚行」は非 難されるべき、帰国後全員のパスポートを没収するべきだ、という記事が産経 新聞に大きく掲載された。 【おわり】 *下記のサイトにもクナシリのレポートがアップされています! ■同船した山口洋氏のインタビュー。 http://www.five-d.co.jp/heatwave/kunashiri/ ■ムネオハウス前で満面の笑みを浮かべるOKI・レクポ。(必見) http://www.beats21.com/cover.html =============================*Chikar Studio*==== *お問い合わせ、ご意見、ご要望は下記のメールまでどうぞ        E-MAIL: mail@tonkori.com OKI's WEBSITE: http://www.tonkori.com ==================================================